2026.03.10
Challengers ーイノベーションの軌跡ー

北電興業株式会社 #01|「もっと」をつくる。多様な個性を一本の線でつなぐコーポレートリブランディング

Sony Acceleration Platformでは、大企業の事業開発を中心に、さまざまなプロジェクトを支援しています。 本連載では、新しいアイデアや技術を商品化・サービス化する企業や起業家など、現在進行形で新しい価値を創造している方々の活動をご紹介します。 

今回ご紹介するのは、2026年に70周年を迎える北海道の総合企業、北電興業株式会社のコーポレートリブランディングの道のりです。多角化する事業に一つの筋を通したブランドメッセージ”「もっと」をつくる。”はどのように生まれ、どのような想いが込められているのか。その物語にご注目ください。 

▼北電興業株式会社ブランドムービー

 

北電興業株式会社 ステートメントLP:https://www.hokudenkogyo.co.jp/statement/
北電興業株式会社 新採用サイト: https://www.hokudenkogyo-recruit.com/ 

 

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「何の会社か伝えにくい…」多角的な事業展開がゆえのブランディングの靄 

―― 北電興業が今回リブランディングに取り組むことになった背景と、抱えていた課題についてお聞かせください。

吉倉さん: 私たち北電興業は、ほくでんグループの一員として、1956(昭和31)年に設立しました 。2026年には70周年を迎える歴史ある会社です。本店を札幌に置き、道内に2事業所、3営業所、2事務所を構えています。もともとは保険やビル管理といったグループ本社のサポート業務から始まり、そこから電柱広告、不動産開発、建築、土木など、様々な事業を展開してきました。現在では不動産事業本部、広告部、商事部、土木環境部、建築部、燃料部、資源事業部、そしてこれらを統括する企画・管理部と、組織構成だけでも非常に多岐にわたっています。

一方で、この多角化こそがひとつの悩みでした。外部から「何の会社ですか?」と聞かれた際に、「これも、これも、これもやっています」と言うことはできるのですが、一言で「我々はこういう存在です」という自己紹介がうまくできないという課題があったのです。グループ外取引を拡大しようと過去から取り組んできていますが、何の会社かというシンプルな問に対し説明できないことが、ひとつの足かせになっていました。

永吉さん: 社内の実態はもっと深刻なところから始まりました。社名やロゴの表記に明確なルールがなく、丸ゴシックを使ってみたり、別のフォントを使ってみたり、といった具合でした。「そんな会社あるか!」と常々思っており、ある時に同じグループ会社の中を見回すと、グループ内でも当社が劣後していることは明白で、危機感を覚えました。ロゴが決まっていない、ウェブサイトがスマホ対応していない…。そんな状態を、誰も気にしていないところからのスタートだったのです。

吉倉さん: 特に採用は、当社にとっての最重要課題と言っても過言ではないほどの状況になってきています。この数年、特に技術系の新卒採用が芳しくない状況が続いており、退職が進む一方で技術継承ができないことに強い危機感を持っていました。当社のウェブサイトのページ管理運営も受け身の体制で、自ら何かを主体性を持って攻めの運営をしていこうという意識は正直欠けていました。その結果、採用課題という現実を身に染みて感じることとなっていきました。

 

同じ事業会社の立場で、「自分ごと」としての伴走 

――Sony Acceleration Platformとの出会いを教えてください。

吉倉さん:きっかけは、私がSony Acceleration Platform様のウェブサイトから飛び込みで直接メールを送ったことでした。最初は社内で新規事業の機運を高めるために、アイデアソン研修を実施していただいたのですが、その評判が非常に良かった。その後、広報に関する課題が浮上した際、パートナーとして広告代理店などの候補も上がりましたが、「まずはソニー様に1度相談してみよう」と考えました。 

永吉さん: 社内では「なぜソニーなのか」「もっと2つ3つ(の企業を)比較してみるべきではないか」という声もありました。しかし、私たちはパートナー選びにおいては価格面もさることながら、共に課題に向き合ってもらえるという信頼関係が最も重要だと考えておりました。Sony Acceleration Platform様は、事業会社としてこれまでたくさんの事業立ち上げを実践してきた中で、企業そのものと何度も向き合ってきた経験があり、広告代理店とは異なる立ち位置から企業PRを検討してくれるであろうという期待感は、私たちにとっては非常に魅力的でした。 

吉倉さん: ソニー様は自分たちも課題を解決してきている「事業会社」です。コンサルというより、「自分ごととしてどう解決するか」を考えてくれる姿勢が非常に心強かったです。広告や広報が目的ではなく、当社そのものを深く理解し、未来を一緒に描いてくれたことを強く感じられました。 

荒木:ありがとうございます。たくさんのお話をお伺いし、北電興業さんの多様な事業をどう一本の線でつなぐか、非常に難易度が高く、かつ熱量の高いプロジェクトになるとその時から予感していました。 


 10名の「本音」を掘り起こしたアクセラレーターの視点 

――プロジェクトの初期段階では、全事業部長へのヒアリングを行われたそうですね。 

林原:荒木が全体のプロジェクトを管理している中で、私は今回顧客課題のインタビューを担当しました。氏家社長をはじめ、各事業のトップの方々約10名に個別インタビューをさせていただきました。北電興業さんは事業内容が幅広く、業務内容毎に働いている方のタイプも全然違います。このヒアリングの目的は、皆さんのそれぞれの想いの中に共通する「譲れない誇り」を見つけ出すことでした。

永吉さん: 事務局として同席して興味深かったのは、部門長たちが、林原さんたちの前では、自分の部門に対しての熱い思いを語り始めたことです。単独でインタビューされると、本音がよく出ていて、改めて「皆さん、それぞれの部門に対して真摯に向き合っているのだな。このエネルギーを集約することで当社はきっともっと良くなる」と思いましたね。 

林原: 皆さん、自分の部門のことを本当に真剣に考えていらっしゃるのです。ただ、それを社内の共通言語として表現する方法を持っていなかった。私は10名分のお話を伺いながら、ある共通のキーワードを探していました。それは多様なことをやっている刺激や学び合い、そして「地域への貢献」という想いでした。グループ会社の中でも多様な意識を持っているのが自分たちの特徴であり誇りであると感じられたので、これを言葉にできればバラバラに見える事業がつながると確信しました。 

永吉さん: 林原さんたちがヒアリングの内容を振り返った時に、びっしりメモが出てきて。極めて限られた時間の中で膨大な情報を吸収してくださり、一緒に議論できたことがありがたかったですね 。自分たちでも気づいていなかった会社の良さを、外部の視点で再定義してもらった感覚でした。

 

ワークショップで深化した、複数視点からのブラッシュアップ 

――その後に実施した若手ワークショップでは、意外な展開があったとか。

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Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、1010件以上の支援を27業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2026年3月末時点)

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