2025.06.24
Challengers ーイノベーションの軌跡ー

LiLz株式会社 #01|AIとIoTで現場の仕事をラクにする(前編)

Sony Acceleration Platformでは、大企業の事業開発を中心に、さまざまなプロジェクトを支援しています。本連載では、新しい商品や技術、サービスアイデアの事業化を行う会社や起業家など、現在進行形で新しい価値を創造している方々の活動をご紹介します。

今回は、AIとIoTによって「現場の仕事をラクにする」ことに挑むLiLz株式会社(以下、リルズ)です。
技術革新によって、あらゆる社会課題に革新的なアプローチが可能になってきましたが、敷地面積の広い製鉄・化学・石油精製の設備保全や、水処理・電気プラント、施設管理、建設現場の仕事では、一般的なIT技術では解決が難しい複雑な課題がまだ多く残されています。
そうした課題に対して、リルズはどのように解決していくのか。同社の代表取締役社長である大西敬吾さんに、起業の経緯や直面した壁、そして業界初となる防爆対応IoTカメラ「LC-EX10」の開発秘話について詳しく伺いました。

前編では、起業の経緯や現場へのこだわり、「LC-EX10」誕生のきっかけを中心にご紹介します。

LiLz株式会社 代表取締役社長 大西 敬吾(おおにし・けいご)さん

 

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■現場へのこだわり

―― まず、リルズはどのような会社なのでしょうか?

大西さん:私たちは「機械学習とIoTの技術融合で、現場の仕事をラクにする」というミッションを掲げて、製鉄所や石油化学プラントといった現場で行われている日常点検などを、リモート化・デジタル化するための点検用IoTカメラとAIクラウドサービスを提供しています。

私たちの社会活動を支えるさまざまな現場には、一般的なIT技術では解決できない非効率な仕事が溢れています。例えば、大規模な工場やビル、プラントなどには無数のアナログメーターが設置されていますが、その点検は今でも多くの現場で、人が巡回して目視で行うのが主流です。これは非常に時間と手間がかかります。私たちは、そういった現場に残された複雑な課題を、AIとIoTを活用した完成度の高いプロダクトで解決したいと考えています。

現場の例
現場の例

―― 「現場の仕事をラクに」するために、具体的にどんなサービスを提供していますか?

 

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Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、950件以上の支援を27業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2025年10月末時点)

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