Sony Acceleration Platformでは、大企業の事業開発を中心に、さまざまなプロジェクトを支援しています。本連載では、新しい商品や技術、サービスアイデアの事業化を行う会社や起業家など、現在進行形で新しい価値を創造している方々の活動をご紹介します。
今回取り上げるのは、新発想の環境対応型インキ『eLinks®』です。
『eLinks®』は、化石原料由来の樹脂(プラスチック)の使用をゼロにしたインキです。このインキをパッケージやパンフレットなどの印刷物に使用することで、環境への負荷を軽減することを目指しています。
この革新的なインキは、インキメーカーではなく、滋賀県にある創業約150年の印刷会社が開発しました。
『eLinks®』の開発ストーリーや、新規事業の醍醐味、これからの目標について、アインズ株式会社の林田頼将さんと松岡正宏さんにお話を伺いました。


■革新的な「樹脂ゼロ」インキ 印刷会社の生き残りをかけた挑戦
――本プロジェクトにおけるお二人の役割を教えてください。
林田さん:私は営業の立場でこのプロジェクトを推進してきました。営業一筋30年なのですが、この『eLinks®』の発想は、お客様へのヒアリングから種が出てきたものなんです。
松岡さん:私は30年以上技術畑を歩んできました。その経験を活かして『eLinks®』の技術開発を担当しており、今は新規事業チームに在籍しています。
――「樹脂を一切使用しないインキ」は、どれほど革新的なことなのでしょうか?
松岡さん:印刷の時に使われるインキのほとんどは、化石原料由来の樹脂(プラスチック)を使用しています。