Sony Acceleration Platformによるオリジナル連載「大企業×新規事業 -Inside Stories-」は、Sony Acceleration Platformの担当者が大企業内の新規事業組織のトップやエースにインタビューする企画です。
今回インタビューしたのは、株式会社竹中工務店で新規事業開発全般を推進・管理されている鈴木頼多さんです。鈴木さんの考える新規事業開発の戦略とは?
>> 【竹中工務店編 #1】竹中工務店の企業風土が育む新規事業と未来への展望

鈴木 頼多さん
株式会社竹中工務店
経営企画室 新規事業推進グループ長

はじめに
――鈴木さんのこれまでのキャリアを教えてください。
まず作業所の事務担当者からスタートし、その後、内勤にて東京本店全体の工事損益管理、本社に異動して会社全体の経営計画・戦略立案に携わってきました。2012年からはCSR推進部門を立ち上げて、サステナビリティ・SDGsの推進にも従事しました。
会社の事業領域が「まちづくり」へと拡大する中で、まちづくり推進部門の立ち上げにも参画し、これまでの多様な組織・活動立ち上げ経験を活かし、現在は新規事業開発全体の推進・管理を担当しています。
竹中工務店の新規事業開発
――竹中工務店の新規事業開発は、どのように始まったのでしょうか。
新規事業自体は2015年から取り組んでいます。2014年に2025年に向けた長期の成長戦略が策定され、新たな事業領域への挑戦の方向性が示されました。そこで、役員・本社の部門長が参画し、新規事業を検討し生み出す「新規事業検討委員会」が設置され、そこが主導する形で新規事業を社員に考えてもらう「『サステナブル社会を実現する新規事業』に関する提案コンペ」を実施し、社員の皆さんからアイデアを募りました。結果、300件以上が集まり、その中から10件を表彰し、どうすれば事業化できるか、委員会のもとにワーキンググループを作って検討を行いました。
その後、アクセラレータープログラムを実施し、スタートアップの皆さんと連携しながら、各分野で何ができるのかを探ったこともありましたし、2022年には、2回目の新規事業提案コンペを行いまして、その年は200件弱ぐらいのアイデアが集まり、その中から新規事業を創っていくといった流れです。