Sony Acceleration Platformによるオリジナル連載「大企業×新規事業 -Inside Stories-」は、Sony Acceleration Platformの担当者が大企業内の新規事業組織のトップにインタビューする企画です。
※2024.11更新:旧名称「Sony Startup Acceleration Program (SSAP)」→新名称「Sony Acceleration Platform」
今回インタビューしたのは、ソニーグループ株式会社でスタートアップの創出と事業運営を支援するSony Acceleration Platform。
Sony Acceleration Platformの責任者 小田島 伸至が新規事業組織の立ち上げの過程でぶつかった数々の“壁”、新規事業には意外にも関係が無かったポイントとは?これまでに19の事業を創出してきたSony Acceleration Platformの過去と今、そして未来に迫ります。

ターニングポイントは、異国の地での苦悩
――小田島さんはSony Acceleration Platformを立ち上げ、数々の新規事業を生み出してきました。これまでのキャリアで一番糧になっている経験は何ですか。
私のキャリアのターニングポイントは、ソニーのデバイス事業を開拓すべく、自ら希望した北欧・デンマークへの赴任です。北欧での私のミッションは、当時まだ市場が無かった現地でデバイス事業のビジネスを創出することでした。ノウハウも無い状態でのゼロからのスタートだったので、最初は本当に苦しかった。しかし、地道な努力やPDCAを回し続け、最終的には周囲の信頼を勝ち取り、ビジネスの立ち上げを実現。約2年で数百億円の事業の創出に貢献できました。
今当時を振り返っても、最初はとにかく孤独で辛かった記憶が鮮明です。しかし事業をゼロから立ち上げた経験は今でも強く頭に残っていますし、新規事業の推進にも通じています。

――異国の地でのビジネス創出、最初はとにかく辛かったとのこと。少し聞きづらいのですが…、具体的に何が苦しかったのでしょう?
そうですね、ゼロから事業を立ち上げなければならないのに、当時の私はその経験が無かったがために何をやれば良いのかも分からなかったことです。やっと道筋を立てられても知らないことだらけ。周囲の人に話を聞きに行ったり、とにかく本を読んだりの繰り返しの日々でした。試行錯誤しても結果はすぐに出ず、「上手くいくのだろうか」と不安になることも多かったです。
――その状態から、数百億円の規模の事業を創出できたのはなぜでしょうか。
自分で目標を作り、その実現のために強い思いを持ち続けたからですね。
私が北欧で気付いたのは「明確な目標をセットすること」の大切さ。そしてその上で「想っていれば必ず叶う」ということ。これに気付けた時が、社会人としての自分の大きなターニングポイントでした。