こんにちは!Sony Acceleration Platform公式サイトの新人編集担当ミミです。
新連載「新人編集はミタ」が始まりました!
この連載では、新人編集担当が、様々なモノ・コトを見たり体験したりする中で発見した”新しさ”や、実際に面白いと感じたことを読者の皆さまに共有します。
お伝えするストーリーが、読者の皆さまのちょっとした気づきや学びになるような機会になれたらと思います。
これから一緒にいろいろなものをミテいきましょう!
初回は、Sony Acceleration Platformの前身である社内の新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」がどのようにして誕生したかをご紹介します。
プロローグ
さて、記念すべき連載の第1回ですが、読者の皆さまにどんなコンテンツをお届けしようかとたくさん悩みました。
そして、まずは、Sony Acceleration Platformの”自己紹介”をしようと思いました。
なぜか。それは、私が知りたいからです!
何を隠そう、私はこのSony Acceleration Platformに参画してまだ間もない新米なのですが、ここで少しだけ身の上話をさせてください。
私は、ありがたいことに以前勤めていた企業で、新規事業プロジェクトに立ち上げから携わる機会を得ました。そして、自分史上最も辛く苦しい数年間を過ごしました。
本を読んだり、ベンチャーキャピタルが開催する新規事業ワークショップに参加したり、見よう見まねでビジネスフレームワークを使ってみたり・・・。多少の基礎知識と社会人経験を携え、上司やチームメンバーと協力しながら何とかサービスリリースには持ち込めたものの、新規事業開発のノウハウもチームビルディングスキルも、何もかもが不足しており、サービスリリース後も苦難の日々が続いていました。
クラシック音楽に例えるならば、ベートーヴェンの交響曲第5番の第1楽章(かの有名な「ジャジャジャジャーン」のアレです)から、穏やかな第2楽章をすっ飛ばして、一気に試練の第3楽章に入った、といった状況でした。
数年が経ち、新規事業開発の業務からは離れることになったある日、「Sony Startup Acceleration Program」(現Sony Acceleration Platform)に出会い、衝撃を受けました。
「現役の事業会社のソニーが、他企業向けに事業開発の支援をしているではないか!」
ホームページを読み漁り、事業開発に携わる人々がどのような課題をもっているのかをまとめた、新規事業創出を阻害する「課題マップ50」(現「事業開発のCHALLENGE 50」)の課題や提供されるソリューションを見て、非常に刺さりました。そこには、私が特に困っていた課題や、課題だと気づけないまま終わっていたことがいくつも記載されていました。
一プロジェクトを支援するだけでなく、その企業が事業開発を活発化させ新しいものを生み出せる環境を構築する(≒事業開発ノウハウを蓄積し、再現性を高める)組織開発まで支援しているというのは、支援を受けた企業にとってサステナブルな取り組みです。そして、自社(ソニー)だけでなく、同じような課題に悩む大企業がみんなで事業開発を促進していこうとする開かれた姿勢に、「きっとこの取り組みが日本の未来を明るくするのでは」と期待をせずにはいられず、心の底から感動しました。
この取り組みに大いに賛同した私は、Sony Acceleration Platformの一員になることを志願し、今に至ります。
こうしたわけで、この素晴らしい取り組みをどうして始めることができたのか、私自身興味津々なのです。
やや前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。
Sony Acceleration Platformは、どのようにして生まれたのでしょうか。
きっかけは若手社員からのボトムアップ
ソニーの新規事業・事業開発を創出する仕組みは、トップダウンで降りてきたものだったのでしょうか。自然と沸いて出てきたものだったのでしょうか。
そうではなく、一人の社員をきっかけに生まれたものでした。
ソニーは、新しいものを生み出す期待の目を向けられている
2012年、ソニーが大不況の真っ只中にあった頃、のちに現Sony Acceleration Platformを立ち上げ責任者をつとめる小田島は、北欧で300億円規模の事業を立ち上げた後、ソニー本社の事業戦略部門にて、ソニーグループ全体の事業戦略を見ていく中で、新しい事業のアイデアがなかなか上がってこないことに気が付きました。それを紐解くと、社員から大企業あるあるの”できない理由”がたくさん出てきたのです。
「新規領域のアイデアはどこにもっていけばいいかわからない」
「自分の専門領域以外はわからないので、ビジネスが作れない」
「新規事業は毎日が決戦なのに、意思決定が遅すぎる」
そこで小田島は、これらの課題を解決すべくソニーの中に、次々に新規事業が生まれる仕組みを作りたいと考えるようになりました。
社長へのプレゼン、そして社内起業プログラムが走り出す
努力による必然と偶然が重なり、小田島は当時の社長であった平井に直接プレゼンテーションをする機会を得ることができました。小田島のプレゼンテーションを聞いた平井は、特に”出てきたアイデアを育てる”仕組みを評価し、また小田島の熱いパッションを受け止め、企画にGOを出しました。平井自身も会社の経営者として同じ課題を持ち、解決策を模索していたからでした。ただし、半年以内に結果を出すことが正式にプロジェクトを始動する条件でした。
ここで責任者を買って出てくれたのが、当時ソニー本社の業務執行役員SVPを務めていた、現ソニーグループ株式会社の社長である十時でした。
十時は、過去にソニー銀行の立ち上げに成功しており、新規事業開発ではこれ以上にない人材でした。十時の経験値という大きなバックアップも後押しし、小田島は半年という短い期間で、提唱した社内起業プログラムの実績を積み上げ、本格的な始動を勝ち取ることができました。
こうして一社員から立ち上がった社内の新規事業開発プログラム「Seed Acceleration Program」のルール”アイデアを出した人がリーダーとなり事業化まで責任を持つ”というのは、小田島が立ち上げたこのプログラムも例外ではなく、立ち上げ当初から小田島が実質の司令塔を任されていました。
その後、新卒社員がプロジェクトを率いるスマートウォッチ「wena」や「toio」「MESH」などの新規事業が次々と誕生していったのです。
Sony Acceleration Platformは、いま―
2014年に社内の新規事業開発を促進する場として生まれた「Seed Acceleration Program」は、その後、2018年「Sony Startup Acceleration Program」と名を変えて、自分たちと同じような課題を持つ外部の企業を支援するサービスに進化し、世に出ることとなりました。
そして、2024年10月、新規事業開発に閉じず事業開発全般を総合的に、長期的に支援するプラットフォームを目指し、現在の「Sony Acceleration Platform」に名を変えて、新たな段階を迎えています。
その動きを加速する大きな一歩として、先日1月23日(木)には、ビジネスマッチングプラットフォーム「Boundary Spanning Service(バウンダリースパニングサービス)」をリリースしました。
おわりに
これまでの歩みを振り返ると、まさにSony Acceleration Platformが掲げるキャッチフレーズ「あらゆる人に事業創造の機会を。(All of you can become a Business Creator.)」は、若手だった頃から小田島自ら体現してきたことそのものが、ブランドメッセージになっているということが伺えますね!
私は、前職で新規事業開発の担当をしていた時、「あぁ、私は新規事業開発に向いていないのだ」と思っていました。皆さんの中にも同じように思ったことがある方がいるのではないでしょうか。
しかしSony Acceleration Platformの考え方に出会って、新規事業・事業開発は、”すごい人”にしかできないもの・”まぐれ”や“たまたま”出来上がるものではなく、その機会は誰にでも与えられており、体系的に理解し科学し支援を受けることで、あらゆる人が実現し得るものだということを学びました。
「あの頃Sony Acceleration Platformに出会えていたら、もう少し違った形でプロジェクトを動かせていたかもしれない」と当時を思い返す日々です。
新規事業・事業開発に携わる皆さんが、Sony Acceleration Platformを通じて企業や業種の垣根を超えた繋がりを手にし、日本中・世界中に事業創造の輪が広がる未来を目指して、私自身は、目の前の情報発信を頑張っていこうと心に誓ったのでした。
ちなみに今私は、ベートーヴェンの交響曲第5番で表すと、目指すべき道が開け前進しているという点で、勝利の第4楽章にいます。
Sony Acceleration Platform誕生エピソードの記事は以下をご覧ください。
>> 大企業×新規事業 -Inside Stories- 【ソニー編 #1】ゼロからのスタート、「社会・会社・自分」3つを満足させられるか?
>> 大企業×新規事業 -Inside Stories- 【ソニー編 #2】たった1人、未知で複雑で壁だらけだった
本日ご紹介したエピソードは、公式サイトの各記事以外にも、書籍『ソニー 復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦悩』にもまとめられております。また、ご支援しているお客様を対象に行っている「イノベーションアカデミー」でも、小田島が数々の事業を立ち上げてきた中で経験したノウハウやここでしか話せない秘話などをご紹介しています。
最後に、ブランドムービーをお届けして、締めたいと思います。
いかがでしたか?
本企画「新人編集はミタ」では、新人編集担当に見てきてほしい・体験してきてほしいモノやコトを募集します!
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