2025.04.24
新人編集者はミタ

Ginza Sony Parkのツウな楽しみ方を聞いてミタ! 

こんにちは!Sony Acceleration Platform公式サイトの新人編集担当ミミです。  

この連載では、新人編集担当が、様々なモノ・コトを見たり体験したりする中で発見した”新しさ”や、実際に面白いと感じたことを読者の皆さまに共有します。今回のテーマは、「Ginza Sony Parkのツウな楽しみ方を聞いてミタ! 」です。  

皆さん、今年1月にグランドオープンした「Ginza Sony Park」にはもう行かれましたか?  
第一弾に引き続き、現在も第二弾の企画展を開催中のGinza Sony Parkですが、実は、建物そのものにも魅力がいっぱいあるのです!  
今回、このGinza Sony Parkのプロジェクトに計画初期段階から携わっているソニー企業株式会社の城ヶ野修啓と一緒に建物を散歩しながら、Ginza Sony Parkのツウな楽しみ方を教えてもらいました。
 

Ginza Sony Parkは、なぜ”公園”?  

銀座5丁目にあるGinza Sony Parkは、長い歴史のあるファッションブランドHermèsの建物の隣、東急プラザの向かいにあります。有楽町駅からルミネを通り抜けて歩いて数分、数寄屋橋交差点の数寄屋橋交番を背にスクランブル交差点の前に立つと、打ち放しコンクリートの建物が見えてきます。

Ginza Sony Parkのツウな楽しみ方を聞いてミタ!画像1

この場所には元々、ソニーの創業者の一人である盛田昭夫が「街に開かれた施設」として、1966年に建てたソニービルがありました。その敷地の使い方はとてもユニークで、交差点に面したスペースには、盛田が「銀座の庭」と呼んだ10坪の小さなパブリックスペースがありました。  
そこでは、ソニー製品に関わらず四季折々に合わせたイベントが催され、街を行く人たちが集まる憩いの場となっていました。  

 50年もの間銀座の街と共に歩んできたソニービルを建て替える「Ginza Sony Parkプロジェクト」では、ここを新たにどんな場所にするべきなのか、たくさん話し合われました。その当時CEOだった平井一夫からは、「とにかく”INVITING”であれ」とアドバイスがあったそうです。そこで、これまでと同じように商業施設にするのではなく、銀座の街を訪れる人たちがさまざまな目的で利用できるような「銀座の公園」にすることにしたのです。
公園には、いろいろな理由で人が集まりますよね。遊ぶ、ジョギングをする、散歩をする、待ち合せる、ぼうっとする、花見をする、通り抜ける…。  
銀座の街を訪れる人も、きっと一人ひとり違った時間の過ごし方をされています。そんな人々が思い思いの時間を過ごせる場所、それがGinza Sony Parkなのです。  

建築としての「Ginza Sony Park」の魅力  

Ginza Sony Parkプロジェクトの城ヶ野と交差点の前の開けたスペースで待ち合せ―。さっそくGinza Sony Parkの散歩がスタート!屋上から地下3階まで、とにかく魅力が詰まった建物だったのですが、私が特にワクワクしたポイントを6つ紹介します。  

①段差が無いのは、歩道の高さを上げたから!?  

「足元を見てみてください」と言われて下を向きます。「普通建物に入る時、仕切りや段差がありますよね。でもGinza Sony Parkには、無いのです。」  

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本当だ!歩道とGinza Sony Parkの境界を感じさせるものがないので、「今敷地内に足を踏み入れたぞ」と意識することもありません。この段差を無くすのは、行政との協議など建築的にも大変だったポイントだそうです。ソニー側の敷地の床の高さを可能な限り下げただけでなく、なんと、歩道を可能な限り高くすることで実現したそうです。 
確かに、よく見ると交差点からGinza Sony Parkの敷地前に向かって緩やかな傾斜になっているのが分かります。  

②Ginza Sony Park屋上と数寄屋橋交差点で、手を振り合える距離!  

「屋上から順番に案内しますね!」と、外堀通りに面したエレベーターから早速屋上(5階)へ案内していただきました。  
屋上には展示スペースもありますが、展示がない期間も自由に出入りができます。  
この日はとても天気が良かったので、絶好の”屋上日和”でした。屋上からは、数寄屋橋交差点を眺めることができます。この建物は周囲の建物に比較して、少し低めに建てられているので、交差点で信号を待つ人を見れば、知り合いなら顔が分かるくらいの距離感なのです。  

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  私は子供の頃デパートの屋上に遊びに行くのが大好きで、よく母親や祖父母に連れて行ってもらっては、屋上から道行く人を眺めていました。そんなことを思い出しながら下を覗いていると、「銀座の街でゆっくり交差点を眺めるのって、何だか贅沢ですよね。この蔦なんかも、もっともっと伸びて緑豊かになってくれたらいいなと思っています。」と城ヶ野は言いました。 
「ああ、確かに」と思いました。普段の慌ただしい日々や都会の喧騒から逃れ、銀座の街をただ眺める。いいですよね。  

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「この屋上のベンチも、”これはベンチです”と定義しているわけではないのです。この高さで屋上の淵が囲まれていたら、何となく皆さん座られますよね。そういう設計なのです。」  

③レガシーを受け継いだ階段、吹き抜ける風  

さて、屋上から階段を下りる…前に、「ここから覗いてみてください。」とのこと。  

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Wow!上から下まで、吹き抜けになっているではありませんか。  
そしてこの階段には、きちんと前身のソニービルへのリスペクトが込められているのです。ソニービルはショールームを想定していたので、建てるにあたり盛田はお客様に上の階から下の階までしっかり見て回っていただける構造にしたいと考え、かの有名なグッゲンハイム美術館をイメージしたそうです。螺旋状の通路を歩きながら展示物を見ているうちに、いつの間に地上にたどり着いている、それを理想としたのでした。そこで、前身のソニービルの設計を担当した建築家の芦原義信氏が「ハナビラ構造」というスキップフロア形式の設計を考案してくださったのだとか。
その想いを継承した、素敵な螺旋階段。下りるのもワクワクしますよね!  

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4階の踊り場から、下りてきた階段を見上げると、何だか学校の校舎内の階段を彷彿とさせる、懐かしい感じがしました。ただ、学校の屋上と違うのは、扉がないので外との明確な境界が無いことです。だからここは、建物の中であり外でもあるのです。時間帯により陽が差す角度が変わったり、風が通り過ぎたりするのが気持ちよくて、不思議で心地の良い空間でした。
「吹き抜けだと気持ちいいでしょう。まあその代わり、雨の日はもちろんここにも雨が降りますけどね」と笑いながら教えてくれました。  

④少しのスペースがあれば、意外と何でもできる  

4階、3階の展示フロアを過ぎて、2階に降ります。  
2階はフロアというフロアがあるわけではなく、スロープと階段、その道を分かつエレベーターコアがあるだけなのですが、またそれが”公園”らしい一面を持っているのです。 

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 「『銀座の庭』時代も、10坪の狭いスペースで季節の催し物などを行っていました。だから、ちょっとしたスペースでも工夫をすれば色々なことができると思います。」  
そう城ヶ野が言う通り、例えばクリスマスにはハンドベルの演奏でもできそうな、それくらいの幅のスペースがありました。
2階まで下りて来ると、1階に向かう道が二手に分かれていました。    

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左から進むと下り坂、右側から進むと下り階段…。子供の頃「どっちから行こうかな!」とドキドキしながら通った小径、公園にもありましたよね。  

⑤コンクリートの打ち放しなのに木目が!?  

さて、いよいよ1階と地下に続く階段が見えてきました。そこで過ごす人たちを眺めてみると、本当に公園そのものですよね。    

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・・・と、ここまで案内してもらいながら、ずっと気になっていたことを城ヶ野に尋ねてみました。 

ミミ :どうして打ち放しコンクリートにしたのですか?  
城ヶ野:なるべく色を付けないようにしたかったのです。街に馴染みますし、どのような色がきても引き立たせることができます。この建物で唯一目立つ色といえば、非常口の緑のマークや消火栓のランプの赤色くらいです。 
ミミ :なるほど。このコンクリート、木目のような柄に見えるのですが…。  
城ヶ野:コンクリートで建物を作るのって、実は工場で作った部品を運んで組み立てる建物よりも、工法が大変なのですよ!コンクリートの建物を建てる場合、この建設現場で型にコンクリートを流し込んで固めて作る必要があります。その型枠が木でできているのですが、その木の型に流し込んだ時についた木目の模様と木の色がまだコンクリートに残っているのです。コンクリートは固めてから数年のうちにより頑丈になります。そのうち徐々に色が抜けて白っぽくなりますよ。  

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へー!ということは、この”木の色味が強く感じられるコンクリート”は、竣工したばかりの今しか見られないということですよね。それにしても、一体どれくらいの量のコンクリートを流し込んで出来上がったのでしょうか。城壁の石を積むように、途方もない数の型枠を組み上げてできあがったのだと思うと、何だかこのビルが愛おしく思えました。普段は建築物に疎い私ですが、この時は建物を建てた職人たちにひっそりと思いを馳せたのでした。  

⑥地盤を支える旧ソニービルの面影。次の時代へ―。  

地上だけでも楽しいGinza Sony Parkですが、地下にもソニービルの歴史を感じる場所がいくつもありました。    

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地下1階のソニーの敷地と地下鉄銀座駅に続くコンコースとの境目に立ってみると、おや?境界の内側に、やけに古いコンクリートがむき出しになっています。なんと、これは50年以上前に建てられたソニービルの構造そのものが残っているのだそうです。  
地下のコンコースと繋がっているため、構造上崩すことができなかったそうなのですが、新旧が揃って並んでいるのは、何となく嬉しいですよね。  

また、建て替えにあたり駅側の敷地内の壁にも少し手を付けたそうなのですが、白く塗られた壁を壊してみると、ソニービルが建てられた初期の青い亀甲型のタイル壁が、発見されたそうです。    

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地下2階の駅直結の入り口部分も、ソニービル時代の構造を活かして、そのまま使用しているそうで、昔からソニービルに足を運んでいた方にとっては、馴染みのある入り口なのではないでしょうか。
この先の時代にも大切に残していきたい風景でした。

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おまけ ソニーの名がついた通り「ソニー通り」  

HermèsのビルとGinza Sony Parkの間の通りの名前を知っていましたか?実は、「ソニー通り(SONY DORI ST.)」と正式にソニーの名がついた通りなのです。ちなみに、Googleマップにもバッチリ表示されますよ!      

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いかがでしたか?  
実際にGinza Sony Parkに訪れた人たちの声を聞いてみると、幅広い年代の方が「ソニーらしい」と評価してくださっているのだそうです。このプロジェクト自体のアプローチの方法や建物のコンセプトなど、随所に皆さんの思い描く”ソニー”が散りばめられていると、人々は感じているようでした。  

 ソニービルが初めてこの銀座の街に誕生した時は、「エレクトロニクスのソニー」でした。そして、ソニービルがGinza Sony Parkに生まれ変わった2025年の今や、ソニーは「クリエイティブエンタテインメントカンパニーのソニー」へと進化しています。  
新しいことに挑戦し続け、街も会社も新しく変わっていく中、これまで培ってきたソニーの精神や”らしさ”など変わらないものがあることは、素敵なことだと感じました。そして、それを後世に残し続けていきたいという想いが、歴史を作っていくのですね。  

 本日ご紹介したGinza Sony Parkのプロジェクトの概要やソニービルの歴史の詳細は、以下のページに記載されていますので、是非あわせてお読みください。  
https://www.sonypark.com/  

 そして、銀座を訪れる折には、是非Ginza Sony Parkにもお立ち寄りください!  
また、現在「Sony Park展 2025」のPart2が開催中です。詳細は、以下をご確認ください。
 https://www.sonypark.com/sonyparkten2025/ 

 楽しい建築ツアーをありがとうございました!  

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地下3階のカジュアルダイニング『1/2 (Nibun no Ichi)』に飾られている、かつてソニービルで使用されていた電飾

 

本連載「新人編集はミタ」では、新人編集担当に見てきてほしい・体験してきてほしいモノやコトを募集しています。
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Sony Acceleration Platformは、新たな価値を創造し豊かで持続可能な社会を創出することを目的に2014年にソニー社内の新規事業促進プログラムとしてスタートし、2018年10月からは社外にもサービス提供を開始。ソニーが培ってきた事業開発のノウハウや経験豊富なアクセラレーターによる伴走支援により、820件以上の支援を27業種の企業へ提供。
新規事業支援だけでなく、経営改善、事業開発、組織開発、人材開発、結合促進まで幅広い事業開発における課題解決を行ううえで、ソニーとともに課題解決に挑む「ソリューションパートナー企業」のネットワーク拡充と、それによる提供ソリューションの拡充を目指します。(※ 2025年3月末時点)

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