事業のつくりかた 8ステップ特別編「ある学生の事業開発ストーリー」。
ある学生たちがゼロからビジネスを立ち上げるまでの奮闘記を通じて、よりリアルに事業を創る道筋をご紹介しています。
主人公は、大学生のナオ。 アイデアの種を見つけ、仲間とぶつかり合いながら事業を形にしていく中で、彼らが何を考え、どう壁を乗り越えていくのか。ぜひ物語の主人公になったつもりで、ビジネスが立ち上がるワクワク感と手触り感を追体験してください。
前回は、ステップ1として「アイデア発想」 がテーマでしたが、今回はステップ2「チームビルディング」に関する物語です。
■Step2:チームビルディング ~自分の想いを話したら、仲間が1人また1人と集まった~
「ねえ、この前の話の続きなんだけど」
ナオは、大学のカフェに座っているマミに話しかけました。そこは2人が所属するテニスサークルの溜まり場で、他にもサークル仲間がいて、スマホをいじったり、何かのテキストを読んだりしています。
ナオはマミに、忘れ物防止のための道具を作って、困っているお年寄りを助けたいという話をしました。
「へぇ、面白いかも。うちのおばあちゃんのためにもなるし、私も手伝う」
マミはにっこり笑って言いました。
ありがとう、とナオが答えると、すぐ横から声がしました。
「アイデアはいいと思うけど、実現するにはお金とか技術が必要だよね?」
声の主は、同じサークル仲間のシュウヘイでした。ナオたちとは同級生で、経営学を専攻しています。
「私たちの話を聞いてたの?」
マミが尋ねると、シュウヘイはうんと頷いて話しはじめました。